挨拶文例集
葬儀のご挨拶となりますと、言葉や内容など難しく考えてしまいがちですが、本来ご遺族のあいさつには、決まった形式はありません。
当事者として行うことは、そう何度とあるものではありません。悲しみの中にある遺族にとって、参列者の前で慣れないあいさつをするプレッシャーは相当なものです。ですから短くても構いません。また、上手に話そう、立派な表現を使おうなどと思う必要もありません。家族葬の方も増えておりますし、昔の様に難しい言葉を使う必要もございません。
参列者への感謝と、故人への想いをだれが聞いてもわかる言葉づかいで、素直に自身の言葉で話すのが良いでしょう。
主な挨拶内容
①参列してくれたことへのお礼
②死去の報告
③故人の思い出
④差し障りがない範囲で故人の最期の様子
⑤厚誼へのお礼と今後の支援のお願い
⑥結び
基本的に喪主の挨拶は、火葬場へ向けて出棺する際に行うのが一般的ですが、近年はお通夜への会葬者も増えている傾向にあることから、お通夜で挨拶を行う事もあります。
訃報から法要まで様々な文例をご用意いたしましたので、ご参考になさって下さい。
逝去の連絡(訃報)
- 例1)故人の勤務先へ妻から連絡
- 経営企画部・○○○○の妻○○と申します。
夫が本日午前○○時○○分に他界いたしました。
生前は、皆様方にいろいろとお見舞いいただき、誠にありがとうございました。
つきましては、○○斎場にてお通夜を○日午後○時より、告別式を○日午前○時より執り行いますのでお知らせ申し上げます。
みなさま方にもどうぞよろしくお伝えくださいませ。
- 例2)故人の親しい友人へ娘から連絡
- 夜分遅く(早朝に)(お忙しい時間に)ご連絡申し訳ありません。私、○○○○の長女の○○と申します。
本日昼過ぎから父の容態が急変し、先ほど息を引き取りました。いつもお見舞いいただきありがとうございました。○○町の○○斎場にて通夜は○月○日午後○時から、告別式は明後日午前○時から行います。
たいへん恐縮なお願いでございますが友人のみなさまにご連絡いただけないでしょうか。
ご多忙なところお手数をおかけ致しますがよろしくお願い申し上げます。
- 例3)故人の学校へ父から連絡
- ○年○組の○○○○の父でございます。
○○が昨夜○時すぎに息をひきとりました。
○○斎場にて通夜は明日午後○時から、葬儀は明後日午前○時から、執り行います。
諸先生方には大変お世話になり感謝しております。学校関係者の皆様、クラスメイトの皆様にどうぞよろしくお伝えください。
お通夜のご挨拶
- 例1)
- 本日はご多忙な中、夫・○○の通夜にご足労いただきまして、誠にありがとうございます。生前は、ひとかたならぬご厚誼にあずかり、厚くお礼申し上げます。
夫は、○月○日深夜、○○のためこの世を去りました。享年○○歳でございました。
一昨年ごろより入退院を繰り返しておりましたが、最期は眠るように安らかに息を引き取りました。
お医者さまからは余命3か月と言われておりましたが、自身の強い思いや、皆様の励ましのおかげで、初孫の七五三の着物姿もみる事が出来ました。年齢を考えますと、やはり少し早い旅立ちではありますが、人の出会いに恵まれ、精一杯生き抜き、人生を全うしたのではないでしょうか。
なお、葬儀・告別式は明日10時より執り行いますので、ご都合がよろしければ、ご会葬くださいますようお願い申し上げます。
ささやかではございますが、供養のためのお食事の用意をいたしました。生前の思い出話などお聞かせいただければと思います。
本日は、本当ににありがとうございました。
- 例2)
- 本日はお忙しい中、母○○の通夜にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
お陰様で通夜の儀を滞りなく終えることができました。
生前親しくしていただきました皆様方にお越しいただき、母もさぞ喜んでいることと存じます。
また、母の加療中は皆様方にいろいろとお見舞いいただき、誠にありがとうございました。
なお、葬儀は○○日の○○時より○○○○にて執り行います。ご多忙とは存じますが母の最期の別れでございます、ご都合が宜しければご会葬くださいますようお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
- 例3)
- 本日はご多用にもかかわらず、亡き父○○の通夜にご参列くださり、誠にありがとうございます。
父もこのように皆様に見守られ、とても喜んでいてくれる事と思います。
父の在りし日のことなどお聞かせいただければと思い、別室にお食事の席をご用意いたしました。
父の供養のためにも、どうか今しばらくお付合い頂ければ幸いです。
なお明日の葬儀、告別式は○時からとなっております。何卒よろしくお願い致します。
本日は誠にありがとうございました。
通夜終わりの挨拶
- 例1)
- 本日は、誠にありがとうございました。
おかげさまで滞りなく通夜を執り行うことができました。
夜も更けて参りました。後は家族で守りますので、皆様どうぞご自由にお引き取りくださいませ。
明日も何卒よろしくお願い致します。
本日は、誠にありがとうございました。
- 例2)
- 夜も遅くなってまいりましたので、これより先は身内にてつつましく執り行いたいと思います。
随時お引き取りいただければと存じます。
なお、葬儀は明日の○○時より同斎場にて執り行います。
ご参列の程、よろしくお願い申し上げます。
本日は、誠にありがとうございました。
- 例3)
- 本日はご多用中にもかかわらず、通夜式へのご参列誠にありがとうございました。
おかげをもちまして、滞りなく通夜を執り行うことができました。
夜も更けて参りました。 明日のお仕事に差し障りがあっては申し訳ありませんので、本日はこの辺りで終了とさせていただきます。誠にありがとうございました。
通夜振る舞いの案内
- 例1)
- ささやかではございますが、供養のためのお食事の用意をいたしました。
お酒など酌みを交わしながら、生前のお話など聞かせていただければと存じます。
- 例2)
- 本日はお忙しい中をご会葬いただきまして、誠にありがとうございました。
生前親交の厚かった皆様方にお越しいただき、主人もさぞ喜んでいると思います。
また、主人の存命中のご厚情に対しまして、深く御礼申し上げます。
ささやかではございますが、お食事の席をご用意いたしました。賑やかにお酒を酌み交わす事が好きだった主人の供養のためにも是非、召し上がっていただきたいと存じます。なお、葬儀・告別式は、明日の○時より同式場にて執り行います。何卒よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
- 例3)
- 本日はご多忙なところを、ご丁寧にお悔やみをくださいまして誠にありがとうございました。
生前は皆様方に格別のご厚情を賜りまして母も大変感謝いたしておりました。
ささやかではございますが、別室に粗茶を用意しております。
召し上り頂きながら、私の知らない母のエピソードなどをお聞かせいただければ幸いです。
本日はありがとうございました。
- 例4)
- ご挨拶申し上げます。 本日はお忙しい中を、○○の為にご弔問くださいまして誠にありがとうございました。妻も皆様方のおいでをさぞ喜んでいる事と思います。
また存命中には、ひとかたならぬお世話になりました事を厚く御礼申し上げます。
別室に心ばかりのお食事を用意いたしましたので、故人を偲ぶ話など聞かせていただければ幸いでございます。本日は誠にありがとうございました。
葬儀・告別式でのご挨拶
- 例1)
- 本日はお忙しい中、母○○の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
長男の○○でございます。遺族、親戚を代表いたしまして、ごあいさつ申し上げます。
母は、○月○日、老衰のため永眠いたしました。享年○歳でございました。
ここ数年は徐々に体力が衰え、最期は病院のベッドの上で眠るように逝きました。文字どおり、天寿を全うしたかと思います。
とにかく頑張り屋の母でございまして、私が小学生の頃、父が早世して以来、女手ひとつで二人の子どもを育ててあげ、昼も夜もなく働き続けてくれました。子供であった私共には到底はかりしれない苦労もさぞ多かったと思いますが、愚痴もこぼさず、いつも明るく気丈な母は私たちの誇りであり、手本でございます。
仕事も引退した後は、やっと出来た時間を存分に楽しみ、趣味の洋裁や温泉巡り等、入院直前まで誰にも頼らず、一人暮らしを貫いた母でございました。
ご近所のみなさまやサークル仲間のみなさまにずいぶん気に留めていただき、入院中もたくさんの方にお見舞いにきていただきました。
母になり代わりましてお礼申し上げます。
本日は最後までお見送りいただきまして本当に、ありがとうございました。
- 例2)
- 本日はお忙しい中、夫○○の葬儀にお集まりいただき誠にありがとうございました。
主人は○月○日、○○で逝去いたしました。享年○歳でございました。
お医者さまには「もって一年」と宣告されておりました。家族といたしましては一日でも長く生きてほしいという思いで、本人にも告知して懸命に闘ってまいりました。その甲斐あって、なんとかここまで来られたのだと思っております。
本人も家族も覚悟しておりましたので、この一年でお世話になった方にお別れのあいさつをしたり、子供たちと様々な事を語りあったり致しました。夫としても悔いのない最期を迎えられたのではないかと考えております。
みなさまの温かいお言葉が、主人にも、また私たち家族にとってもどれだけ励みになったかしれません。ここにあらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも主人の生前と変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。
- 例3)
- 本日はお忙しい中、ご会葬賜り誠にありがとうございました。
また会社の皆様方や学生時代の先輩方、ご友人の方々からは心のこもったお別れの挨拶を賜り父もさぞかし喜んでいると存じます。生前のご厚誼に、厚く御礼申し上げます。
父は勤勉実直な人間で、朝は5時には起きて新聞を隅まで読み、夜はいつも12時過ぎまで机に向かっておりました。一昨日突然意識不明となり私たちが病院にかけつけた時には既に意識がなく、そのまま帰らぬ人となりました。健康には人一倍、気を付けていた父が、よもや亡くなろうとは全く思っていませんでした。
今はただ、一生懸命に頑張っていかねばと思うばかりでございます。
まだ若輩でありますので、これまでにも増してご指導ご鞭撻を賜ります様切にお願い申し上げご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
- 例4)
- 本日はお足元の悪い中、叔父の葬儀にご会葬賜り誠にありがとうございました。
またご弔意並びに、ご厚志を賜りまして厚く御礼申し上げます。
昭和一桁生まれの叔父は、長年勤めあげた○○株式会社の代表退任以来20年、悠々自適のうちに過ごしておりましたが、〇月〇日の夜半、〇〇病院で眠るがごとく○歳の生涯を閉じました。
若いうちから様々な苦労を経験し会社に尽くした生涯ではありましたが、大往生ともいえる最期であったことは、何よりの慰めでございます。叔父が晩年を豊かに過ごす事ができましたのも、ひとえに皆様方のご厚情のたまものと深く感謝致しております。これからは残されたもの力をあわせて、叔父の意思を受け継いでいきたいと思います。これまで同様のご指導とご鞭撻をお願い致しまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
- 例5)
- 出棺に先立ちまして、遺族を代表し、皆様に一言ご挨拶を申し上げます。
本日は遠路ご多忙中のところ、ご会葬、ご焼香を賜りまして、誠にありがとうございました。
故人存命中は、皆様方にひとかたならぬご厚情を賜りまして、心からお礼申し上げます。
皆様方に温かくお見送りいただき、主人もさぞ喜んでいることと存じます。
遺された私達一同は、若輩ではありますが、これから故人の遺志に沿うよう努めていく所存でございます。 皆様方には、故人同様のおつきあい、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、これをもちましてお礼にかえさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
- 例6)
- 皆様には大変ご多忙中にも拘らず、お暑い中を亡き父○○の葬儀にご参列くださいまして誠に有難うございます。長男の○○でございます。喪主として一言ご挨拶を申し上げます。
父は○○県○○市で○○家の長男として昭和○○年に出生致しました。○○大学を卒業後、祖父が創立した現在の○○株式会社に入社。 昭和○○年に同社を引き継ぎまして以来幾度の変転の後今日に至っています。社業がこれまでに発展できましたのも、一重に皆様のご厚情のおかげと感謝しております。○○年激動の生涯を太く生き、父も満足し、かつ感謝の念を持ってあの世に旅立ったことと思います。父になり代わりまして心から御礼申し上げます。
今後は残された母を大切にし、家族力を合わせて父の遺志を受け継ぎ、社業発展の為に身を捧げる覚悟でございます。亡き父同様ご厚誼の程切にお願い申し上げまして、御礼の言葉に代えさせて頂きます。
本日は誠にありがとうございました。
精進落としでのご挨拶
- 例1)
- 本日はお忙しい中、亡き○○の葬儀にお集まりいただきまして、誠に有難うございました。皆様のお力添えのおかげで、無事に葬儀、告別式を終える事ができました。ささやかではございますが、精進落しのお膳を用意させていただきましたので、お時間の許す限りおくつろぎいただければと存じます。
本日は誠にありがとうございました。
- 例2)
- まだまだ皆様のお話などを承りたく存じますが、そろそろお時間となりましたので、本日はこれにてお開きにしたいと存じます。○○がいなくて寂しくなりましたが、残りました家族一同助け合ってやってまいりたいと存じます。どうか今後も変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
法事・法要の挨拶
- 例1)
- 本日はご多用中にもかかわらず○○の○○法要にご列席下さいましてありがとうございます。お陰様で納骨も無事に終えることが出来ました。ご存じの通り○○はにぎやかなことが大好きな人でしたので、生前親しくして頂いた皆様方にお集まりいただき、さぞかし喜んでいることと存じます。ささやかではございますが、供養のお席をご用意いたしました。 故人を偲びなから、ゆっくりとお過ごしいただきます様お願い申し上げます。
- 例2)
- 本日はお忙しいところ父の○回忌法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。ささやかではございますが酒食の用意をいたしております。時間の許す限りおくつろぎいただき、皆さまと父の思い出話などに花を咲かせてひとときを過ごせれば幸いでございます。
父が、亡くなった○年前のこの日は、雪が舞う寒い日でしたが、今日は小春日和。春が近いと感じられます。普段はなかなかお会いできない皆様方に、若かりし頃の父のエピソードや、昔話などを教えていただければと考えております。ご存知のように父は皆で集まって飲むお酒が大好きでした。父が元気なころに叔父さん叔母さん方が集まり、賑やかだった正月は父がとても楽しみにしていた行事の一つでした。そんな父を偲ぶ席ですから、賑やかにお過ごしください。
では献杯のご唱和をよろしくお願いいたします。
「献杯」